非抜歯矯正
「歯を抜かずに矯正できるのか?」と不安に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
実際、矯正治療で「歯を抜く」という決断は、とても大きなものです。
ですが、当院では可能な限り歯を抜かずに矯正を進める非抜歯矯正を提供しています。
非抜歯矯正では、歯並びを整えるために、さまざまな方法でスペースを作り、あなたの自然な美しさを引き出します。
歯を抜くことに対して抵抗感を感じている方や、顔の形や口元を変えたくないと考えている方にとって、非抜歯矯正は最適な選択肢となる場合があります。
もちろん、すべてのケースに適応できるわけではありませんが、できるだけ歯を抜かずに治療できるよう、当院では最新の技術を駆使して、あなたに最も合った治療方法を提案します。
歯を抜かずにスペースを作りだす方法
非抜歯矯正で大切なのは、歯並びを整えるために既存のスペースを有効に使うことです。
方法としては、以下のようなアプローチがあります。
1. 歯の表面を削る(ディスキング)
ディスキングとは、歯の表面を薄く削ることで、歯同士の間に十分なスペースを作り出す方法です。
この手法は、歯を抜くことなく、歯並びを整えるための非常に効果的な方法として用いられます。
歯並びに関係する歯の中で、削除が可能であり、歯の健康に影響を与えない部分を選びます。
通常、歯の一部の表面を数ミリ単位で削りますが、削る量は慎重に判断されます。
一度に削る量はごくわずかで、通常は数十ミクロン(ミリの千分の一)の範囲で行います。
これにより、歯を削った部分が自然な形に整えられ、歯並びを改善します。
すべての歯が均等に並ぶため、顔や口元の印象が改善されるだけでなく、歯同士の摩耗も防がれます。
また、削った部分は目立たず、自然な歯の形状を保つことができます。
メリット
歯を抜かずにスペースを作れる
歯の表面を削ることで、わずかな隙間を作り、歯並びを改善できます。
歯を抜かずに治療できるため、歯の健康や顔のバランスにも負担が少ないです。
短期間で改善が可能
通常、数回の通院で行えるため、治療が比較的早く進むことが多いです。
デメリット
削る範囲に限界がある
あまり削りすぎると、歯の強度が落ちることがあります。
そのため、どれだけ削るかは慎重に決定し、定期的なチェックが必要です。
2. 歯列全体を奥側に移動する
歯列全体を奥側に移動する方法では、歯の位置を顎の後ろに向かって移動させ、歯と歯の間にスペースを確保します。
歯列全体を奥に移動させるためには、矯正装置(例えば、インビザラインなどのマウスピース矯正やワイヤーブレース)を使います。
これらの装置を使って、歯に優しく圧力をかけ、徐々に歯を奥に動かします。
そのほか、若年層の場合は、顎の成長を促す矯正器具を使うことで、さらに効率よく歯を奥に移動させることができます。
メリット
顔のバランスに影響を与えない
歯を奥に移動することによって、顔の前面や口元の印象を変えることなく、歯並びを改善できます。
スペースを確保しやすい
顎の後ろに歯を移動させることで、歯並びを整えるためのスペースが作りやすくなります。
デメリット
治療期間が長くなる場合がある
歯列全体を奥に移動させるには時間がかかる場合があるため、少し治療期間が長くなることがあります。
重度の不正咬合には適応が難しい
重度な不正咬合の場合は、奥に移動するだけでは解決できない場合もあります。
その場合は他の治療法を併用する必要があるかもしれません。
3. 歯列全体を横や前に拡げる
歯列全体を横や前に拡げることで、歯に十分なスペースを作る方法です。
この方法では、歯を横方向や前方に移動させ、歯同士の隙間を広げます。
歯列を横や前に拡げるために、拡大装置(例えば、顎を広げるためのアライナーやバンドなど)を使用します。
この装置は歯を少しずつ拡げるように働きかけ、歯をより広い位置に移動させます。
成長期にある子供に対しては、顎自体を広げる矯正器具を使って、より大きなスペースを確保することができます。
顎の発育を促しながら、歯並びを整えることが可能です。
メリット
スペースを広げやすい
横や前に歯列を拡げることで、歯並びに十分なスペースを作ることができ、非抜歯矯正でも効果的に治療できます。
自然な見た目を維持
顎を広げることで、顔の形や口元のバランスを保ちながら治療を進めることができます。
デメリット
治療に時間がかかる場合がある
歯列を拡げるには、時間がかかる場合があります。特に成人では、顎の成長が終わっているため、治療に時間を要することがあります。
顎の動きに制限がある場合がある
顎の成長が終わった成人には、顎の拡大が難しい場合があります。この場合は、他の方法を併用する必要があります。
抜歯が推奨されるケース
非抜歯矯正は全ての方に適応できるわけではありません。
以下のようなケースでは、抜歯が推奨されることがあります。
歯が非常に大きくて並びきらない場合
歯が大きすぎて並べるスペースが足りない場合、抜歯をすることで、スペースを作り出して、歯並びを整えることが可能です。
重度の噛み合わせの問題がある場合
咬み合わせが非常に悪い場合や、歯が不正に重なっている場合、抜歯によって歯を適切に並べる必要がある場合があります。
非抜歯矯正は、歯を抜くことなく治療を進められる方法で、顔立ちや口元への負担を軽減し、自然な仕上がりを目指すことができます。
しかし、すべてのケースに適応できるわけではなく、治療の最適な方法は患者さま一人ひとりの状態に応じて判断することが重要です。
もしも不安や疑問があれば、ぜひご相談ください。
あなたにとって最適な治療法をご提案させていただきます。